平成23年度の税制改正が、与野党のねじれに震災の影響もあり、議論延期になっています。
3月31日に「つなぎ法(案)」が決議され、本来であれば3月31日付けで期限が切れたさまざまな税制の恩典などが6月末まで継続されています。6月末までに平成23年税制改正が決着がつくという想定です。
この「つなぎ法(案)」の正式名称は、「国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法等の一部を改正する法律」です。「国民生活等の混乱を回避」とは、なんとも直接的な名前です。
通常の年ならば、税理士業界は税制改正セミナーが盛んな時期ですが、いまだに「法律が通ればという前提」で「税制改正大綱」に基づき話をしている状況です。12月のころと情報のレベルに変化がありません。
法人税の減税を棚上げして復興財源にあてて下さいという団体の長もいれば、国際競争力の観点から法人税減税の見直しは避けてほしいという団体の長もいます。
所得税や相続税の増税もなくなるのではないかといった期待感もあるのかもしれませんが、復興財源の観点からも増税がなくなるということは考えにくいと思います。
たかが税制、されど税制。税制によって経済活動の大きな方向性が決まってきます。困難な状況ですが、できる限り与野党できちんとした議論を行った上で決まって欲しいと思います。