震災関連や今後の消費税増税議論で盛り上がる中で、静かに12月2日付で公布された平成23年の税制改正。その中で「更正の請求」期間が延長されるという改正が行われました。
「更正の請求」とは、申告書を提出した後で、所得金額や税額などを実際より多く申告していたことに気付いたときに、訂正を求めるための手続きを言います。(ちなみに所得や税額が増える時は、修正申告を提出することになります。)
これまで申告期限から1年しか認められなかった「更正の請求」が、今回の改正により、申告期限から5年に延長されました。
従来は、「嘆願書」という非公式文書により、減額更正をして、認められる場合がありました。
これまで納税者側から1年しか更正の請求ができなかったにも関わらず、税務署は3年間増額更正ができました。もともと法律的な権利が不平等であるのに、「嘆願書」という大時代的なもので対応するしかない状況が改善されたわけです。
もっとも今回の改正に合わせて、税務署も5年間、増額更正ができるようになりましたので、言わばガチンコ勝負といったところでしょうか。
権利が平等になったことは特筆すべきではありますが、変化の激しい時代に、5年間も遡って更正をされたり、更正の請求をすることは避けたいものです。
経営者や納税者の皆さまに安心して将来に目を向けて頂けるように、税理士として貢献していきたいと思います。