平成24年3月25日現在、消費税の増税関連法案について今月中の国会提出が不明な状況です。
消費税が10%になったときには、いろいろ問題が出ることが予測されますが、中小企業の消費税の納税も問題のひとつではないかと考えます。
消費税は、適正に転嫁されるならば、取引の都度、売上の相手先から消費税相当額を受け取ることになります。この受け取った消費税相当額をきちんと納税する必要があるわけですが、このための管理が、小規模企業にとってハードルが高いことが多いです。
頭ではわかっていても、売上で入金された金額が一旦、会社の預金口座に入ると、全て会社の経営に投じられることになってしまいます。目下必要な、従業員の給与や仕入先への支払いの資金に回されてしまうと、消費税の納税が困難になります。
初めて消費税の納税義務者になった時などは、きちんと納税準備をしておかないと、納税資金に困ることになります。
定期積金を行うなど、別預金で管理をすることで、通常の会社の資金繰りと切り離す方法をとっている会社も多くあります。
消費税が5%ならばまだ何とか、納税資金もひねりだせるかもしれませんが、10%ともなると困難になるでしょう。
通帳の残高だけ見て経営をしていると、10%時代の消費税の納税資金には足りないということになってしまいます。経営者は月次決算を行い、月次決算書を見て、お金の使い方、使わずにとっておくべきかを考えていく必要があります。
そのためのお手伝いをするのが、税理士事務所の大切な仕事です。消費税大増税時代に突入する前に、準備を整えておきましょう。