どこの税理士事務所でもたくさんの専門書を購入しそれらを業務に活用しています。税法は毎年変わるので、最新の書籍を揃えるだけでもなかなかの投資額になります。
現在に至るまで、多くの税金の専門書籍のうち「権威のあるもの」は現役の国税職員が書いています。だいだいの国税職員が「休日を利用して」「個人的な立場」で書いている本ですが、税務調査のときに調査官がコピーを持ってくるときもあるくらい、現場で標準となっているものもあります。
またその道の権威の実務家が書いたり、大手税理士法人のブランド力・ノウハウ収集力を持って出版される書籍もあります。かつて在籍した税理士法人で私が一部書いたものもあります。これらの本も、専門家の間では重宝されています。
「舟を編む」という本がベストセラーになっており、辞書の編纂の苦労を描かれています。主人公が言葉のひとつひとつを掘り下げる場面などもあります。
税理士もこれまでは、「どの法律・通達にこう書いてある」から発展し、「どの質疑応答集・コンメンタール(逐条条文解説)でこう書いてある」「その新版ではこのような記述が追加された」ということを知っていることが、専門家のひとつの権威でもありました。
もちろんこれらは今でも重要ではありますが、やはり税理士もインターネットをいかに活用しているかが問われる状況になっていると思います。たとえば国税庁のHPに掲載されている「質疑応答事例」などは非常に充実しており、定期的に事例が追加掲載されます。
税務通信などの専門誌も、索引を調べて、バックナンバーから近い内容の記事を探していました。現在はWEBで購入し、記事検索で一発でたどりつくという形で活用しています。我々の事務所が契約しているTKCのデータベースも充実しています。
インターネットで情報が提供される時代では、専門家と一般の方の垣根が低くなっています。自分の財産を守るために、驚くほど勉強している方にもお会いすることがあります。
お客様の役にたてるように、勉強を続け、情報への投資も継続をしていく必要があると、ベストセラーを読みながら思いました。