消費税議論に先が見えない状況が続いています。いろいろな政治的駆け引きが行われている中で、本日の報道にあったのは軽減税率の導入です。自民党に軽減税率の導入の案があることに前原政調会長が「考慮に値する」と語ったそうです。
軽減税率とは消費税導入当初からある議論です。例えば食料品や日用品は非課税もしくは税率を軽減しようというものです。
しかし食料品の税率を低くすると決めた場合に、何が食料品となるかの定義が必要です。これは簡単なことではありません。
米や野菜、肉、魚などが食料品であることに異論はありません。でもハムや缶詰など加工食品はどうなるでしょうか。お酒やビール、ワインはどうしましょうか?お歳暮などの贈答用として買う場合にはどうなりますか?
外食はどうなりますか?ハンバーガーや牛丼屋やファミリーレストランはどうでしょうか。お店で食べずにテイクアウトすれば食料品でしょうか。
消費税導入前にあった物品税の時代には、物品税を課税されるリストがありました。消費税は物品税のような課税リストに載せる、載せないということを決めるときの政治的束縛から解放されて、広く課税を行う「一般消費税」として導入されたものです。これが消費税のもつ大きな特徴です。
事業者の消費税申告を行う税理士としても、税務調査での揉め事を増やすような複雑な税制は希望しません。
消費税増税にあたり納税者の負担軽減を図ろうというのであれば、コスト(=新たな仕事)を増やさない方法によってもらいたいと思います。
もっともその前に消費税を本当に増税するのかどうかという根本議論を国会でしっかりやって欲しいと思いますが。