先週のコラムで消費税の軽減税率について書きましたが、その後も軽減税率の議論が盛んです。
本日(5月20日)の朝日新聞の社説でも「軽減税率は将来の課題に」と論じられています。
その社説では、食料品の線引きの難しさとして他国の例が紹介されています。
「チョコレートはカカオの含有率が50%以上か未満か」(仏)、「ハンバーガーは店内で食べるか持ち帰りか」(独)、「ドーナツは5個以下か6個以上か」(加)という線引きで、いずれも前者が標準税率、後者が軽減税率であるとのことです。
またEUの付加価値税を単純平均すると標準税率が20%、食料品への軽減税率が11%ということも紹介されています。
もちろん他国が消費税を導入しているから日本でも同様にすべきだということにならないのと同様に、他国の標準税率と軽減税率をマネする必要もありません。
しかし消費税導入の目的は税収確保なわけですから、軽減税率で税収があまり伸びないことになると、消費税増税で混乱するだけで意味がありません。
また食料品の定義付けで混乱すると、例えばドーナツを一度に6個以上買わなくなったり、並び直して2回にわけて買うみたいな、日常生活で「税金がいばる」ことになる恐れがあります。こんなことは嫌ですね。
それにしても、新聞報道では「消費増税は避けられない」ということが前提で「決められない政治が問題」という論調が多く見かけられます。政局も消費税がらみのことばかりです。
残念ですが、気がつくと、もうずいぶんと「税金がいばる」状況になってしまっているようです。税理士としては、税法をかみ砕いて説明をし、お客様に助言をする場面が増えてくるのではないかと思っています。