消費増税に民主、自民、公明の3党が合意しました。今後も政局はいろいろ動きがあるでしょうが、2014年4月に8%、2015年10月に10%という消費税率になる道筋がつくこととなりました。
3党による「税関係協議結果」という資料が民主党などのホームページに掲載されています。
低所得者対策としては、「給付付き税額控除」の検討をすること、「複数税率の導入」の検討を行うとあります。また施策の実現までの暫定的な措置として「簡素な給付措置」を実施するとあります。
「簡素な給付措置」の内容は明記されていませんが、これを実施することが消費税率を8%に上げるための条件となっています。単なるバラマキにならないか、しっかり注目しなければなりません。
気になるのは、あまり報道されない所得税・資産税(相続税・贈与税)のゆくえです。
所得税は、これまでの社会保障と税一体改革の法案では、課税所得5,000万円超について、最高税率を45%にするとなっていました。今回の3党合意では、この政府案を一度削除して、「課税所得3,000万円超について45%、5,000万円超について50%」という案を踏まえて検討することになりました。
資産税については、社会保障と税一体改革の法案の該当部分を削除し、平成25年度税制改正で法制上の措置を決めるとあります。こちらは現在の政府案を踏まえて検討を進めるとあり、相続税の増税の方向性は同じものの、一層の増税がありうるのか、今後の議論に注目する必要があります。
「富裕層からは税金を頂きますし、低所得者には給付をしますので、消費税の増税にご理解ください。」というのが、税に関する3党合意の趣旨でしょう。多くの国民に増税を受け入れてもらうためには、このようなセットになるのはやむをえないのでしょうか?
政治的には長い間何も決まらずに来ましたが、これから具体的な議論になってくるので、実務的にはいよいよ目が離せません。このコラムでも税制改正について継続的に書いていきたいと思います。