6月29日(金)に安住財務大臣が記者会見を行い、海外から日本向けに配信する音楽や電子書籍などのサービスに、消費税を課税する方向で検討したと発表しました。2014年の消費税8%増税時点で課税を開始することを検討するようです。
消費税は、日本国内での取引に課税がされます。音楽や電子書籍などを配信する拠点が、日本国内にある場合には「国内取引」として課税がなされ、配信拠点が日本国外の場合には「国外取引」として課税がされません。
もしこれが「電子」ではなく「モノ」の世界であれば、「輸入取引」として輸入通関時に消費税が課税される仕組みになっていますが、電子配信の場合にはこれにも該当しません。
この検討を始める背景には、アマゾン・ドット・コムが日本での電子書籍販売を始めることや、楽天がカナダの会社を買収して電子書籍販売を始めることなどの伏線があります。
報道によると、国内への参入を決めた海外企業に事前登録を義務付ける「課税事業者登録制度」を検討するとあります。この方法はEUで導入実績があるようです。
「国内でがんばっている企業が損をしないように、公平を保つことが一つの論点になると思っています」と会見では大臣は語ります。
国内に拠点がない海外企業に日本での納税義務を徹底させることは容易なことではありません。いろいろ抜け道がありそうな制度になりそうですが、日本企業の海外流出を防ぐ一定の効果はあるものと思います。
どんな制度になるのか、今月(7月)からの研究会での検討に注目していきたいと思います。