本日(2012年7月8日)の日本経済新聞3面に「教育費積み立て 優遇」の記事があります。
教育資金を積み立てる際に税制で優遇するというもので、積立期間中の利子や運用で得た利益を非課税にする案が有力とあります。早ければ2013年度の導入を目指すようです。
具体的には、孫や子供を受取人に指定した口座に対して、教育資金の積み立て目的である場合に限り、利子や運用益に対する課税を免除することになります。資金を引き出す際に、教育目的であることを証明する書類の提示などを求める案もあるようです。
現在の低金利時代では、教育資金の利子や運用益が非課税になっても大きなメリットになるとは思えませんが、祖父母の資金を若い世代に移転して有効活用を促すという狙いがあるようです。
さて、贈与税の非課税を規定する相続税法第21条の3に、次の条文があります。
「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」
祖父母と孫は一般的には扶養義務者相互間ではないと思いますが、教育費の贈与ということであれば、一般的には非課税とされているものと思います。
今回の「教育資金優遇税制」では、孫や子供を受取人に指定した口座で積み立てるということであれば、財産としては積立段階で孫や子供に贈与税が非課税で移転したと見ることができるのでしょうか?
もしそうであれば、低金利の時代においては、利子や運用益が非課税になるからというよりも、相続財産を減少させる効果があるのでこれを活用しようという動きになるのではないでしょうか。
記事によると親族が口座に拠出する際の所得控除なども検討しているとあります。相続財産が減少できた上に、所得控除もできるとなれば、大いに活用されそうですね。
まだ詳細は決まっていないので、上記はあくまで可能性にすぎませんが、この制度を今後も注目していきたいと思います。