日本経済新聞9月20日朝刊の社会面に「税務調査、増す説明責任」の記事が掲載されていました。
来年1月に税務調査の手続きを定めた改正国税通則法が施行され、これにより税務調査の事前通知や追徴課税の理由説明が原則義務化されます。
これまでの税務調査でも、事前通知が行われているケースが大部分(記事では8割以上とあります)でしたが、法律上の規定はなく、現場の裁量で行われてきました。このことについて、驚かれる方も多いと思います。
日本は憲法に「租税法律主義」を掲げています。租税法律主義とは、国家が国民の私有財産の一部を義務的・強制的に提供させるという側面があることから、その賦課や徴収の方法を法律という一定のルールの下に置こうとするものです。
税務調査といえば、申告と並んで極めて重要な税務イベントです。その手続きが法令で定められていなかったのは不思議なことでした。
この9月に国税庁のホームページに次の通達、FAQが公表されています。
「調査手続きの実施に当たっての基本的な考え方等について(事務運営指針)」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/sonota/120912/index.htm
「税務調査手続きに関するFAQ(一般納税者向け)」
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h24/nozeikankyo/pdf/02.pdf
「税務調査手続きに関するFAQ(税理士向け)」
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h24/nozeikankyo/pdf/03.pdf
税務調査の内容はもちろんのこと、今後は税務調査の手続きがルールに則って行われているかについて、我々は注視していかなければなりません。