消費税が増税になったときに、消費税分を価格に転嫁(売上への上乗せ)ができないと、経営を圧迫することになります。立場の弱い中小企業は、取引先の大企業から転嫁を拒否される恐れがあると見られています。
政府がこの「価格転嫁」問題への対策に乗り出したというニュースです。
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20121026-00000021-biz_fsi-nb
チェックするために「転嫁対策調査官」を経済産業省など各省に設置するそうです。
「転嫁対策調査官」は、増税分の上乗せを拒否した企業に対しては、公取委などと連携して行政指導を行い、指導に従わない企業は公正取引委員会が増税分の支払いを勧告します。勧告に従わない企業は、企業名の公表や罰則も科すこととするようです。
税務署は、納税義務者である事業者(法人、個人事業者など)から消費税を徴収することしかしません(できません)。ぜひ転嫁対策調査官と公正取引委員会は中小企業の味方になってもらいたいものです。
心配なのは、実際に機能するかどうかです。転嫁を拒否された中小企業が、本当に相談窓口に駆け込んでくれるのかどうか。そんなことをしたら、それこそ取引をしてもらえなくなると考える中小企業経営者が大多数であるように思えてなりません。
消費税の仕組み(仕入税額控除)を正しく理解していれば、価格転嫁を拒否することは値下げを強要することと同じ意味だと理解できます。
転嫁拒否は、便乗値下げなり。
今や消費税は、経理部の人だけでなく、ビジネスマンの常識として広く理解される必要があるのではないでしょうか。